倒産で借金が返せない時の解決策|勤め先倒産と自営倒産で違うポイント
「会社が倒産して収入がゼロに…」「自分の事業を畳むことにしたけど、個人の借金は残った」――収入減型の最大の壁は突然のキャッシュ断絶です。焦りから高金利で“つなぐ”と雪だるまになり、メンタルも崩れます。結論はシンプルで、今日やる“止血”→今週の“黒字化”→今月の“再設計”の3段で立て直します。本記事は、上位記事が制度一覧に偏りがちな点とカニばりしないよう、勤め先倒産/自営倒産(個人保証)で違う注意点、家族・職場に配慮した連絡設計、手続きの現実的な順番まで具体的に解説します。
併読:返済の基礎 / 固定費の見直し / 在宅で月3万円 / 公的制度・法的手段 / 不安との向き合い方
倒産で借金が「急に苦しくなる」理由【感情×キャッシュの二重圧力】
倒産が引き起こすのは、単なる収入ゼロではありません。未払いの請求・家賃・カード決済が容赦なく到来する一方で、将来の収入見通しが途絶するため意思決定が短期化し、目の前の支払いだけを「つなぐ」判断に偏ります。ここで高金利を重ねると、元本が減らないばかりか信用情報も傷み、返済比率(返済額÷手取り)が一気に上昇。さらに、勤め先倒産では失業手当の受給開始までタイムラグ、自営倒産では在庫・原材料・家賃等の撤収費が重なりやすく、どちらも初動の遅れが命取りです。逆に言えば、①督促を止める(止血)②生活防衛費を確保(黒字化)③制度と債務整理で再設計の順序を守れば、数週間で“減る実感”に切り替えられます。私自身も収入が一気に落ちた局面でこの順に動き、3か月で督促ゼロ、6か月目から繰上げ返済が可能になりました。
ここまでのまとめ:倒産時は心理とキャッシュが同時に崩れる。順番(止血→黒字化→再設計)で巻き戻す。
今日中にできる「止血」手順【STEP1→2→3】
全部やる必要はありません。まずは1つだけでOK。今日できる行動から着手して、明日以降に積み上げます。
STEP1:受任通知で督促を原則停止
弁護士・司法書士に相談し、受任通知を出してもらうと以後の督促が原則止まり、連絡は窓口へ一本化されます。家族や職場に配慮できる事務所(無地封筒/連絡時間帯調整)を選ぶと露見リスクも低下します(制度の基本は法テラス参照)。
STEP2:連絡設計と支払い優先度の整理
カード会社・債権者のマイページで連絡先(携帯・メール)を最新化し、紙明細→Web明細に切替。支払いは「住居・光熱・通信→食費→医療→返済」の順で生活維持を優先。公共料金や家賃も分割・猶予の相談が可能な場合があります。
STEP3:生活防衛費の確保と支出の固定化
通信・保険・サブスクの固定費3項目を見直し、月1.0〜1.5万円を原資化。返済専用口座へ自動振替し、生活口座と分離します。翌週以降に在宅副業で月1〜3万円を上積みすれば、返済ペースは着実に回復します(固定費の見直し/在宅で月3万円)。
ここまでのまとめ:「受任通知→連絡・支払いの設計→固定費の原資化」で、焦りを止めて判断力を取り戻す。
状況別:勤め先倒産と自営倒産で違う要点
同じ「倒産」でも、勤め先が倒れたのか/自分の事業を畳むのかで動きは変わります。混同するとムダが出るため、最初に切り分けましょう。
勤め先が倒産した場合(収入断絶)
当面の返済は「無収入前提」で再設計します。就業状況の証明が取れれば、支払い猶予や分割に応じる債権者もあります。失業給付・職業紹介などの公的支援は地域の窓口で確認しつつ、任意整理で将来利息をゼロにして月額負担を落とすのが現実的。求人までのブランクは在宅副業で埋め、返済専用口座に収入を直行させるルール化が有効です。
自営・法人を畳む場合(個人保証・連帯保証)
経営者や個人事業主は、代表者個人の保証債務や家賃・リースが残ることが多い点に注意。無理に追加借入で“つなぐ”のは禁物で、個人再生(大幅減額+財産保全)や自己破産(免責)も視野に入れ、全体最適で決めるのが安全です。制度・留意点は金融庁や法テラスで最新を確認。
ここまでのまとめ:勤め先倒産=収入の穴埋め+任意整理、自営倒産=保証債務を含む全体設計。前者はブリッジ、後者は構造改革が肝。
債務整理の選び方【任意整理/個人再生/自己破産】
倒産起因の返済困難では、完済までの道筋を現実的に作ることが優先です。代表的な3手段の要点を押さえましょう。
任意整理(将来利息カット+再分割)
将来利息をゼロにし、3〜5年の分割で返す現実的な選択。毎月の負担が下がるため、再就職や副収入と相性が良い。家族に配慮した連絡・郵送の運用がしやすいのも利点。
個人再生(大幅減額+資産保全)
条件に合えば元本自体を大きく減らし、住宅資金特則で自宅を守れる可能性。自営倒産と親和性が高い一方、裁判所関与・書類負荷が増えます。
自己破産(免責でリセット)
返済義務を免除して生活再建を優先。職業制限や官報公告、一定の資産処分が伴うため、家族・仕事・資産との兼ね合いを専門家と確認を。
公式情報:法テラス(2025年8月時点) / 金融庁(2025年8月時点)
比較表:勤め先倒産 vs 自営倒産(個人)
項目 | 勤め先倒産 | 自営・法人倒産(個人) |
---|---|---|
主な課題 | 収入ゼロ期間の橋渡し | 個人保証・継続債務の処理 |
初動 | 督促停止・生活防衛費の確保 | 督促停止・債務全体の棚卸し |
有効策 | 任意整理+再就職/副収入 | 個人再生/破産で構造改革 |
露見配慮 | 郵送・連絡配慮で家族回避 | 同左(裁判所通知は配慮限界に注意) |
図解案(本表直下に掲載):「倒産→止血→黒字化→再設計」(ALT:倒産時の借金解決フローの図)
やってはいけないNG対応【長期の損に直結】
- 高金利で“つなぐ”追加借入:短期は楽でも長期の損。利息を止めるほうが合理的。
- 多重申込みの連打:審査に不利。見込み薄なら任意整理・再生を優先。
- 支出の極端な削減:食費・医療を削り過ぎるとリバウンド。固定費を“仕組みで”下げる。
- 家族・職場への虚偽説明:短期は凌げても破綻し、信頼を損なう。
成功事例:倒産→12か月短縮で完済へ
事例:40代・手取り22→16万円/残債160万円(3社)。勤め先倒産で無収入に。オンライン相談当日に受任通知で督促停止。連絡・郵送を配慮設定。固定費を月2.0万円削減、在宅副業で月2万円上積み。任意整理で将来利息ゼロ+60回分割へ。返済専用口座と毎月+1,000円前倒しをルール化して、計12か月短縮のペースを確保。3か月で睡眠と判断力が戻り、再就職後もリバウンドなし。
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この記事を書いた人
借金・副業・債務整理で累計300記事以上。一次情報と公的ソース(法テラス・金融庁)に基づき、倒産局面の“止血→黒字化→再設計”を実務手順で解説します。
2025年8月15日 更新
※制度・運用は2025年8月時点の参考情報です。実際の可否や条件は各機関・専門家へ必ずご確認ください。出典:法テラス/金融庁
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