親の借金返済を背負う前にできること
「親の借金が見つかった」「督促の電話が家に来る」――不安で眠れないとき、まず知っておきたい結論は『原則、子どもに返済義務はない』こと(連帯保証人になっている・相続で承継する場合を除く)。
全体像は ▶ 借金が家族にバレる前にできる対策(PILLAR) を先に確認し、本記事では親の借金を“背負わない”ための現実策に絞って解説します。
今日やること(5分でOK)
- 保証人になっている書面があるか確認(契約書・メール・印影の有無)
- 督促は録音・書面化(日時/相手/要件)
- 親の同意を得て、専門家に一次相談予約
1. 誰が支払う義務を持つ?まずは法的立ち位置を整理
- 子どもは原則、親の借金を払う義務なし。ただし連帯保証人なら同等の返済義務あり。
- 相続時は借金も承継対象。相続開始後3か月以内に相続放棄または限定承認で回避可。
- 取り立ての規制(時間帯・執拗な連絡)は法律で定められています。行き過ぎた督促は記録して相談を。
公的情報:法テラス(無料法律相談)/消費者庁/信用情報の開示:CIC・JICC
2. ケース別:背負わないための初動
状況 | まずやること | 次の一手 | 注意点 |
---|---|---|---|
保証人か不明 | 契約書・印鑑・メール履歴を確認 | 不明なら金融機関へ「保証人確認」の問い合わせ | 安易な署名・押印は絶対NG |
保証人になっていた | 返済計画を試算/延滞前に相談 | 任意整理で利息カット、分割再設定 | クレカ停止・信用情報への登録 |
相続直後に借金発覚 | 3か月の熟慮期間内に法テラスへ相談 | 相続放棄 or 限定承認の手続き | 期間徒過に注意(延長申立て可の場合あり) |
督促が激しい | 日時/内容/発信元を記録・録音 | 受任通知で督促停止(弁護士・司法書士) | 違法な取立ては消費者庁等へ相談 |
3. 親の生活を崩さず立て直す:現実的な選択肢
(1)任意整理:利息カットで月額を下げる
返済原資がある程度あるなら、将来利息をカットして3〜5年で返す現実解。
(2)個人再生:元本を大幅圧縮
総額が大きい・住宅を守りたいケースで有力。安定収入が条件。
(3)自己破産:返済不能なら生活再建を優先
資産が少なく返済の目途がない場合、免責で再出発。資格制限・官報掲載の理解が必要。
生活費の確保も同時進行で:家計アプリで固定費を可視化し、サブスク解約・通信費見直し。必要に応じて家族で役割分担(支払い担当/手続き担当)。
4. 家族関係を守る「見える化」と合意形成
- 借入先・残高・返済日・延滞の有無を1枚で共有
- 支払い手段は当面デビット/現金、クレカは生活固定費専用に
- 「相続発生時の方針(放棄/限定承認)」を家族メモに残す
メンタルが苦しい時は家族向け相談も:▶ 借金ストレスの整え方
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借金ゼロナビ編集部
家族・パートナー問題に強い返済アドバイザー。保証人・相続・督促停止まで、数字と感情の両面から“背負わないための選択”を提案します。
PILLAR:家族にバレる前の対策 / 返済の基本 / 公的制度 / 家計の見直し / メンタルケア
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